患者さん1人ひとりの症状や個性に合わせて、最適の治療を行うことをオーダーメイド治療と言います。

たとえば、鼻水ひとつをとっても、サラサラした透明な鼻汁、ネバネバした粘性のある鼻水、黄色や緑色の膿性の鼻汁などがあり、それぞれ原因と治療法が異なります。また、その際に使われるお薬も、その患者さんの性別、年齢、体格、基礎疾患の有無によってさまざまな組み合わせがあり、診察した時点で最も効果的で安全なものを用います。

市販の薬を飲んでいるけれども、のどの痛みが徐々に強くなり、食事もとれないくらい重症化した方も時々来院されます。のどが腫れる原因にもウィルス性と細菌性では全く治療法が異なります。また、扁桃炎が悪化するとのどの奥に膿がたまり、切開して膿を出す必要があります。単なるカゼと思っていても気管のふたに当たる喉頭蓋が腫れると、窒息して命にかかわる場合もあります。この場合、速やかに最適の薬や処置を施さなければなりません。

鼻カゼくらいと思って長引かせると、その奥の空洞に広がって急性副腔炎や蓄膿症になって頭痛を訴えて来られる方もいます。

花粉症の場合でも、症状のパターンや重症度、鼻の中の状態に合わせて最も適した治療を選択します。

このように、耳鼻咽喉科医を受診する最大のメリットは耳や鼻やのどの奥を直に観察し、その時点での病態に合わせて最適の治療が受けられることと言えるでしょう。